歌詞について少し思うこと

こういう話題があったので。
http://arukugamu.blog70.fc2.com/blog-entry-2444.html
いわゆるJ−POPは昔からこんなもんだとも思うのだが、ある意味では日本語詞によるロックも、少し出尽くした感があるような気がしている。日本語を突き詰めていくのが逆にかっこいい、という風潮がシーンを覆ったのがいけなかったのだと思う。普段聞きなれないようなそれらしい単語を並べたり、響きの印象的な単語を引っ張ってきたり、「わかりにくいもの、解釈の難しいもの」を善しとする。最近の自分はそんな「面白さ」に慣れすぎて、歌詞があまり心に響かなくなっているのだ。
とはいえ、スピッツ『ありふれた人生』の詞を初めて見た時には、さすがにどうしたものかと軽い眩暈を覚えた*1。バランスは案外難しい。
個人的には「解釈の難しい歌詞」も、「解釈の必要すらない歌詞」も原色の絵の具のようで、興味をひくものではない*2。むしろ、ありふれた「素朴な一言」を印象的に使われると妙に気になって仕方ない。実はこれがソングライターの真髄ではないかと、秘かにに思っていたりする。

割れものは手に持って 運べばいいでしょう
(スピッツ『スピカ』より)

好きなものが多い方が
幸せにきまっている
(sleepy.ab『なんとなく』より)

sleepy.abの描く世界は美しい。

*1:好きな人、ごめんなさい。

*2:原色の絵の具が好きな人もいますよね。